
テックゴー(TechGo)は使うべきか──ITエンジニアのハイクラス転職エージェントを公式数値から検証する
金曜の夜、求人サイトを開いたまま何も応募せずにタブを閉じる。この2か月で何度目かは、もう数えていない。年収は3年上がっていないのに、任される範囲だけが静かに増えていく。転職したいというより、「今の自分の市場価値がいくらなのか分からないまま年齢だけ重ねている」ことが不安になっている。もしそういう状態なら、この記事は役に立ちます。TechGoは、こうした状況を変えるための選択肢として注目されているITエンジニア特化型転職サービスだ。
本記事では、株式会社MyVisionが運営するITエンジニア特化の転職エージェント「TechGo(テックゴー)」について、公式サイトに実際に記載されている数値だけを拾い、他社と同じ物差しで並べて検証します。出典の確認できない口コミや、匿名の体験談は一切掲載していません。その理由も後半で説明します。
この記事でわかること
- TechGoの運営会社・対応職種・料金といった基本事実
- 公式が掲げる「求人10,000件以上」「平均年収アップ138万円」「年収交渉成功率100%」の正しい読み方
- Geekly・TechClipsAgent・ビズリーチとの比較表(同じ判断軸で横並び)
- 年収帯・経験年数別に、どのサービスを選べばいいかの early判断表
- TechGoが向いていない人の条件(先に読んでおくべき項目)
- 無料面談を情報収集として最大限使い切るための準備リスト
結論:TechGoは「実務経験があり、年収の伸びが止まっている人」向け
【TechClipsエージェント】ITエンジニア専門の転職エージェント|高年収求人と丁寧なサポートで転職成功3行で読む結論
最初に結論を書きます。最後まで読まないと判断できない記事は、読む側の時間を奪うだけだからです。
TechGoは、すでにITエンジニアとしての実務経験があり、年収交渉を軸に条件を引き上げたい人に向いたサービスです。公式サイトは求人数よりも「年収がいくら上がったか」を前面に出す構成になっており、サービスの重心が明確にそこへ置かれています。一方で、完全未経験からの就業支援や、地方・フルリモート求人の充実度については、公式サイト上で判断できる材料が乏しいのが実情です。
TechGoは求職者側の利用料が無料です。したがって「使うかどうか」の判断コストは、実質的には初回面談に使う1時間だけです。合わなければ辞退すればよく、金銭的な損失は発生しません。判断を重くしすぎる必要はありません。
今のまま動かない場合に静かに失っているもの
転職しないという選択自体は、まったく問題ありません。しかし「自分の市場価値を確認しないまま在籍を続ける」ことには、目に見えないコストがあります。
ITエンジニアの求人は職種ごとに相場が動きます。クラウド、セキュリティ、データ基盤といった領域では、同じ経験年数でも提示レンジが年単位で変化します。社内評価だけを基準にしていると、その変化が起きていること自体に気づけません。なぜなら、社内の給与テーブルは市場相場ではなく、自社の予算と等級制度で決まっているからです。
つまり、動かないことのリスクは「転職に失敗すること」ではなく、比較対象を一度も持たないまま条件を受け入れ続けることにあります。無料面談の価値は、内定を取ることよりも、この比較対象を1つ手に入れる点にあります。
この記事の情報源について
本記事に登場する数値は、すべて2026年9月4日時点で各社の公式サイトに記載されていた内容です。掲載時点が明示されている数値については、その時点も併記しています。逆に、公式サイトで確認できなかった項目は「記載なし」と正直に書いています。埋められない欄を推測で埋めることはしていません。
TechGoの無料転職相談を見てみる(公式サイト)
TechGo(テックゴー)とは何か
運営会社は株式会社MyVision
TechGoを運営しているのは株式会社MyVisionです。同社はもともとコンサルティング業界に特化した転職支援を主力事業としており、そこで培った「専門職の年収レンジを把握したうえで条件交渉に入る」型の支援を、他業界へ展開しています。
実際、同社は業界ごとにブランドを分けて複数のサービスを運営しています。TechGoはそのIT領域版という位置づけです。
| サービス名 | 対象領域 |
|---|---|
| MyVision | コンサルティング業界向け転職支援(同社の主力) |
| TechGo(テックゴー) | ITエンジニア向け転職支援(本記事の対象) |
| ツインプロ | 会計士・税理士向け転職支援 |
| ビルドジョブ | 建設業界向け転職支援 |
| メーカーズジョブ | 製造業向け転職支援 |
| ベストウィン | 若手営業職向け転職支援 |
この構成から読み取れることが1つあります。MyVisionは「特定業界の専門職を、その業界の相場観をもって支援する」ことを共通の型にしている、ということです。したがってTechGoに期待できるのは、幅広い業種を横断的に扱う総合型エージェントとは異なる、IT職種に絞った深さの方向です。
対応職種は22職種が明示されている
公式サイトには対応職種が具体的に列挙されています。これは評価できる点です。なぜなら、対応範囲を曖昧にしたまま登録を促すサービスも少なくないなかで、自分の職種が対象かどうかを事前に判断できるからです。
| カテゴリ | 職種 |
|---|---|
| 開発系 | プログラマー/システムエンジニア/社内SE/Webエンジニア/フロントエンドエンジニア/バックエンドエンジニア/モバイルアプリエンジニア/フルスタックエンジニア |
| インフラ系 | インフラエンジニア/サーバーエンジニア/ネットワークエンジニア/クラウドエンジニア/セキュリティエンジニア |
| データ・AI系 | データサイエンティスト/データエンジニア/AIエンジニア |
| マネジメント系 | プロジェクトリーダー/PMO/プロジェクトマネージャー |
| 品質保証系 | QAエンジニア/テスター |
ここで注目したいのは、クラウド・セキュリティ・データ基盤・AIといった需要の高い領域が個別職種として立っている点です。単に「ITエンジニア」と一括りにせず職種を割っているサービスは、求人側の要件も職種単位で整理できている可能性が高くなります。
求職者の利用料は無料
公式サイトには「無料登録」「無料転職相談」「無料相談する」といった表記が繰り返し使われており、求職者が費用を負担する仕組みではないことが明示されています。人材紹介業では、採用が決まった企業側が成功報酬を支払うのが標準的なモデルです。この点は他のIT系エージェントと同じで、TechGo固有の特徴ではありません。
対応職種と求人を公式サイトで確認する※ 本リンクはアフィリエイト広告です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
公式が掲げる3つの数値をどう読むか
TechGoの公式サイトには、判断材料になりうる数値が3つ掲げられています。ただし、数値はそのまま鵜呑みにするものではありません。それぞれ何を意味し、何を意味しないのかを分けて読む必要があります。
①「求人10,000件以上」の読み方
公式サイトには保有求人が「10,000件以上」と記載されています。IT特化型としては相応の規模です。ただし、この数値には集計時点と、公開求人・非公開求人の内訳が明示されていません。
求人数はサービス比較でもっとも目を引く指標ですが、実務上の意味は限定的です。理由は単純で、あなたが応募できるのは、あなたの職種・経験・希望勤務地に合致する求人だけだからです。10,000件のうち自分の条件に合うのが12件なら、判断材料は12件しかありません。
「私の経験(言語・領域・年数)と希望勤務地の条件で、今ご紹介いただける求人は何件ありますか。そのうち、想定年収が現職を上回るものは何件ですか」——この2つを聞けば、総求人数よりはるかに有効な情報が得られます。
②「平均年収アップ138万円」の読み方
公式サイトには年収アップ額として「平均138万円」、さらに年代別として20代エンジニアで「平均120万円」、30代エンジニアで「平均160万円」という記載があります。
これは同社が自社で集計した数値です。母数(何名の実績にもとづくのか)、集計期間、対象者の条件(役職者に限るのか、全利用者か)は公開されていません。したがって、この数字は「TechGo経由で転職した人は全員138万円上がる」という意味ではありません。
一方で、この数値の掲げ方自体からは読み取れることがあります。年代が上がるほど上昇額が大きくなる構成(20代120万円 → 30代160万円)は、マネジメント経験や専門領域の深さが評価される求人を主戦場にしていることを示唆します。裏を返せば、経験の浅い層にとっては、この数値をそのまま自分の期待値にするのは適切ではありません。
③「年収交渉成功率100%」の読み方
公式サイトには「年収交渉成功率100%」という表記があります。この種の数値は、定義を確認せずに受け取るべきではありません。
「成功」の定義が公開されていません。①交渉を実施した案件のうち何らかの上乗せが得られた割合なのか、②求職者の希望額を満額獲得した割合なのか、③そもそも交渉余地のある案件のみを母数にしているのか——いずれかによって意味はまったく異なります。100%という数値は、母数の取り方次第で成立させやすい指標でもあります。面談時に「その100%はどう数えた数字ですか」と直接質問してください。誠実なエージェントであれば明確に答えられるはずです。
ただし、この数値を掲げていること自体には意味があります。年収交渉をサービスの中心的な価値として位置づけている、という宣言だからです。条件交渉を自分でやりたくない人、現職より下がる提示を避けたい人にとっては、その姿勢自体が選ぶ理由になります。
IT転職エージェント比較表(同じ判断軸で横並び)
比較に使った判断軸
比較表は、項目を増やすほど読みにくくなります。ここでは実際の選択に効く5つの軸に絞りました。すなわち「特化領域」「求職者の料金」「公表求人規模」「対応エリア」「公式が前面に出している強み」です。
また、各社が出している数値はそもそも測っているものが違います。求人数を出す会社、企業数を出す会社、ヘッドハンター数を出す会社があります。そのまま大小を比べても意味がないため、表では「何を数えた数字か」を明記しました。
比較表①:主要IT転職サービスの基本情報
| サービス | 特化領域 | 求職者の料金 | 公表している規模(何を数えた数字か) | 対応エリア | 公式が前面に出す強み |
|---|---|---|---|---|---|
| TechGo (株式会社MyVision) |
ITエンジニア特化(22職種を明示) | 無料 | 求人10,000件以上 (集計時点・内訳の記載なし) |
記載なし | 年収アップ額と年収交渉 |
| Geekly | IT・Web・ゲーム業界 | 無料 | 求人45,000件以上 (2026年8月時点) |
全国(関東〜九州・沖縄を明示) | 求人数の規模と業界特化15年 |
| TechClipsAgent | ITエンジニア・ITコンサル | 無料 | 1,000社以上 (求人数ではなく企業数) |
首都圏中心 | 年収UP率95%・高年収帯求人 |
| ビズリーチ | 全業種のハイクラス(IT含む) | 無料プランあり (有料プランも存在) |
提携企業43,900社以上/ヘッドハンター9,400人以上 (いずれも2026年4月末時点) |
全国 | スカウト型・年収1,000万円以上求人が5割以上(2026年1月末) |
「求人45,000件」と「企業1,000社」を直接比べることはできません。1社が複数求人を出すためです。また、TechGoの対応エリアが「記載なし」なのは、対応していないという意味ではなく、公式サイト上で確認できなかったという意味です。推測で埋めていないため空欄に見えますが、これは正確性を優先した結果です。地方勤務やフルリモートを希望する場合は、必ず面談時に確認してください。
この表から読み取れること
4社を並べると、それぞれの立ち位置がはっきりします。まずGeeklyは求人数の規模と全国対応の明示で優位です。選択肢の幅を最大化したいなら第一候補になります。詳細はGeeklyの評判を解説した記事にまとめています。
次にTechClipsAgentは高年収帯の求人を明確に打ち出しており、首都圏で年収を上げたい層に照準が合っています。こちらはTechClipsエージェントの評判記事で詳しく扱っています。
一方でビズリーチは仕組みそのものが異なります。エージェントが求人を紹介する形ではなく、企業やヘッドハンターからスカウトが届くのを待つプラットフォーム型です。能動的に動かなくても市場価値の打診が届く点が特徴で、ビズリーチの評判記事で解説しています。
そしてTechGoは、規模ではなく条件交渉の姿勢で差別化しているサービスだと整理できます。IT特化型としてはレバテックキャリアも選択肢に入りますので、あわせて検討してください。
TechGoで自分の職種の求人を確認する(無料)年収帯・経験年数別の選び分け表
3秒で自分の行を見つける表
ここまでの内容を、実際の選択に落とし込みます。自分に当てはまる行だけを読んでください。
| あなたの状況 | 第一候補 | 併用を推奨 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 実務3年以上・現年収500〜700万円・年収を上げたい | TechGo | TechClipsAgent | 年収交渉を軸にしたサービス設計。高年収帯を扱う2社で提示額を比較できる |
| 実務経験あり・とにかく選択肢を多く見たい | Geekly | TechGo | 求人45,000件以上で母集団が大きい。TechGoを条件交渉役として併用 |
| 地方在住・フルリモート希望 | Geekly | TechGo(要確認) | Geeklyは全国エリアを明示。TechGoは対応エリアの公式記載がないため面談で要確認 |
| 現年収800万円以上・管理職または専門領域が深い | ビズリーチ | TechGo | 年収1,000万円以上求人が5割以上。スカウトで市場価値を測りつつ交渉はエージェント経由 |
| 今すぐ転職せず市場価値だけ知りたい | ビズリーチ | — | スカウト受信型のため能動的な活動が不要。連絡負担が最も小さい |
| プログラミング実務経験がまったくない | いずれも不向き | — | 本記事の4サービスはいずれも経験者向けの構成。未経験可を明示するサービスを別途探すべき |
| 40代以上でIT領域のキャリアを継続したい | — | — | 年齢層に特化したサービスの検討が有効。40代・50代IT人材向けエージェントの解説を参照 |
| 雇用されず単価を上げたい(独立志向) | 転職エージェントは不適 | — | フリーランス案件エージェントが該当。フリーランスエージェント比較を参照 |
そもそもエージェントを使うべきかを先に決める
転職エージェントは唯一の手段ではありません。手段を選び間違えると、労力の割に成果が出ません。主要な選択肢を、労力と得られるものの観点で並べます。
| 進め方 | 求職者の労力 | 年収交渉 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| エージェント型 (TechGo・Geekly等) |
中(面談・日程調整あり) | 代行してもらえる | 条件を引き上げたい/自分で交渉したくない |
| スカウト型 (ビズリーチ等) |
小(登録後は受信するだけ) | 基本は自分で行う | 今すぐ動かないが市場価値は知りたい |
| 直接応募 (企業採用ページ) |
大(企業ごとに自力で対応) | すべて自分で行う | 行きたい企業が具体的に決まっている |
| リファラル (知人紹介) |
小 | 交渉しづらい場合がある | 信頼できる社内情報を得たい |
表のとおり、エージェント型の固有価値は年収交渉を代行してもらえる点に集約されます。逆に言えば、行きたい企業が1社に決まっていて条件にもこだわらないなら、直接応募の方が速いこともあります。TechGoが刺さるのは、この表の1行目に自分が当てはまる場合です。
併用は2〜3社までにとどめる
複数登録は有効ですが、数を増やせば増えるほど良いわけではありません。各社との面談・連絡・日程調整が発生するため、4社を超えると管理負荷が転職活動そのものを圧迫します。実務的には特化型2社+スカウト型1社という構成が扱いやすい上限です。
複数のエージェントから同一企業へ応募すると、重複応募として選考対象外になる場合があります。これは応募者側に責任がなくても起こりうるため、応募済み企業のリストを自分で管理し、各エージェントへ都度共有してください。これを怠ると、本命企業を機械的に落とされることがあります。
TechGoのメリット
メリット①:対応職種が具体的に開示されている
22職種が名指しで列挙されているため、登録前に「自分が対象かどうか」を判断できます。これは地味ですが実用的な利点です。対応範囲を曖昧にしたまま登録させ、面談で初めて「ご希望の職種は取り扱いが少なく」と告げられるケースは、転職活動でしばしば起こる時間の損失だからです。
さらに、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニア、データエンジニア、AIエンジニアが独立した職種として立っている点も評価できます。これらを「インフラ」「開発」に丸め込まずに扱っているサービスは、求人要件の粒度も細かい傾向があります。
メリット②:年収交渉を明確にサービスの軸にしている
多くのエージェントは「求人数」「サポートの手厚さ」を訴求します。TechGoは年収アップ額と交渉成功率を前面に出しており、何を提供するサービスなのかが明確です。
年収交渉は、求職者が自分で行うのが難しい領域です。理由は2つあります。第一に、交渉材料となる社内の給与レンジ情報を求職者は持っていません。第二に、選考中に自ら金額を押すと心証を損なうリスクを負います。第三者が間に入る意味は、この2点を同時に解消できるところにあります。TechGoはその機能を看板にしているため、期待する役割と提供内容が一致しやすくなります。
メリット③:専門職特化の運営ノウハウを横展開している
運営元のMyVisionは、コンサル業界・会計士税理士・建設・製造といった専門職領域でブランドを分けて事業を展開しています。業界ごとに求人要件と年収相場が大きく異なることを前提にした組織構成です。
つまりTechGoは、総合型エージェントがIT部門を持つ形ではなく、最初からIT専任として設計された組織だと理解できます。アドバイザーが開発現場と採用現場の双方を理解している旨も公式に記載されています。この点は、技術要件の説明に労力を割きたくないエンジニアにとって実利があります。
メリット④:登録コストが実質ゼロ
求職者は無料で、登録も公式サイト上で完結します。合わなければ辞退できます。したがって、TechGoを使うかどうかの判断で失敗しても、失うのは面談1回分の時間だけです。慎重に検討する価値のあるサービスと、まず試してみる方が早いサービスがありますが、TechGoは明確に後者です。
無料登録して求人を見てみる(30秒で完了)TechGoのデメリット・注意点
売り込みたい一心で欠点を隠す記事は、結果的に読者の判断を誤らせます。ここは正直に書きます。
デメリット①:対応エリアが公式サイトで確認できない
これは実務上もっとも影響が大きい欠点です。公式サイトには対応エリアの明示がありません。IT系の人材紹介は求人が首都圏に偏る構造があり、地方在住者やフルリモート希望者にとっては、紹介可能な求人が想定より少ない可能性があります。
何が困るか:登録し、経歴書を準備し、面談の時間を確保した後になって「ご希望エリアの求人が現在ありません」と判明する事態が起こりえます。この場合、失うのは数時間です。回避策は単純で、登録時の備考欄または初回連絡の段階で希望勤務地を明記し、該当求人の有無を先に確認することです。
デメリット②:掲げられている数値の算出根拠が非公開
「平均年収アップ138万円」「年収交渉成功率100%」はいずれも母数・集計期間・対象条件が公開されていません。
何が困るか:自分の期待値を誤って設定してしまいます。たとえば経験2年のエンジニアが「138万円上がるはず」と考えて臨むと、実際の提示との落差で判断を誤ります。年代別の内訳(20代120万円/30代160万円)を見れば、上昇額が経験年数に強く依存することは読み取れます。数値は参考値として扱い、自分のレンジは面談で個別に確認してください。
デメリット③:未経験者向けの記載がない
公式サイトの構成は、年収アップと専門職種を中心に据えたものです。プログラミング実務経験がない状態からの就業支援について、明示された記載は確認できませんでした。
何が困るか:完全未経験で登録した場合、紹介可能な求人がないまま面談が終わる可能性があります。学習中・スクール在籍中の段階であれば、未経験可を明示しているサービスや、スクール経由の就業支援を先に検討する方が結果は早くなります。
デメリット④:求人規模の小ささと、エージェント型に共通する連絡負荷
公表されている「10,000件以上」は、同じIT領域で45,000件以上を公表するGeeklyと比べると小さい数字です。選択肢の幅そのものを最大化したい人にとっては、TechGo単独では物足りない可能性があります。
何が困るか:紹介された求人が数件で、比較検討にならないケースです。これは併用で解決できます。母集団の大きいサービスで選択肢を広げ、TechGoは条件交渉のチャネルとして使う、という役割分担が現実的です。
もう1点、これはTechGo固有ではなくエージェント型サービス全般に言えることですが、担当者は成約時に報酬を得る仕組みのため、連絡頻度が高くなる傾向があります。転職意思が固まっていない段階では、これが負担に感じられます。
何が困るか:情報収集のつもりが、日程調整と応募判断に追われる状態になります。回避策は、初回面談の冒頭で「現在は情報収集の段階で、良い求人があれば動く」と明確に伝えることです。加えて、希望連絡手段と連絡可能な時間帯を最初に指定しておくと、以後のやりとりは大幅に軽くなります。
向いている人・向いていない人
TechGoが向いている人
- ITエンジニアとしての実務経験があり、年収が数年横ばいになっている人
- 年収交渉を自分で行いたくない、または交渉材料を持っていない人
- クラウド・セキュリティ・データ基盤・AIなど、専門領域を評価してほしい人
- 技術要件を毎回一から説明する負担を減らしたい人
- 首都圏で勤務する前提があり、条件面を引き上げたい人
- すでに他社エージェントを使っており、条件交渉のチャネルを追加したい人
TechGoが向いていない人(先に読んでください)
①プログラミング実務経験がまったくない人——公式サイトに未経験者向けの記載がなく、紹介できる求人がない可能性があります。
②地方勤務・フルリモートが絶対条件の人——対応エリアの公式記載がないため、事前確認なしの登録は避けてください。全国対応を明示するサービスの方が確実です。
③年収より働き方(時短・副業可・稼働時間)を優先する人——TechGoの訴求は年収に寄っています。優先軸が違う場合、提案がかみ合わない可能性があります。
④雇用ではなく独立・フリーランスを志向する人——転職エージェントは正社員採用の支援が前提です。案件紹介型のエージェントが該当領域になります。
⑤転職の意思が現時点でまったくない人——連絡が負担になります。市場価値だけ知りたいなら、スカウト受信型サービスの方が負荷は小さくなります。
判断に迷ったときの基準
迷っている場合、判断基準は1つに絞れます。「今の年収が自分の市場価値と釣り合っているか、根拠をもって答えられるか」です。答えられないなら、比較対象を1つ手に入れる価値があります。答えられるなら、今は動かなくてかまいません。
登録から入社までの5ステップ
公式サイトに記載されている流れは以下の5段階です。各段階で何が起こるか、何を準備すべきかを補足します。
公式に記載されている5つの流れ
公式サイトから登録し、担当者との面談を行います。ここで経歴・スキル・希望条件をすり合わせます。この段階で希望勤務地と該当求人数を必ず確認してください。所要時間は一般的に60分前後です。
面談内容にもとづいて求人が提示されます。公式サイトには独占選考ルートや面接確約求人がある旨の記載があります。提示された求人については、想定年収レンジと選考フローの回数を必ず確認してください。
書類添削と面接対策が行われます。エンジニア採用では技術面接の比重が高いため、過去にどのような質問が出たかを企業ごとに聞き出せると効果が大きくなります。ここはエージェントを使う価値が最も出る工程です。
TechGoが看板に掲げている工程です。提示条件に対して年収・役割・入社日の調整が行われます。希望額は事前に「最低ライン」と「目標ライン」の2段階で伝えておくと、交渉が具体的に進みます。
退職手続きと入社日の調整を行います。現職の就業規則で定められた退職申し出期限を先に確認しておいてください。ここを詰めずに入社日を確定すると、後から調整が難航します。
各段階にかかる期間の考え方
公式サイトには各工程の所要期間の記載がありません。そのため本記事でも具体的な日数は断定しません。ただし、期間を左右する要因は明確なので、それを把握しておけば自分のケースで見積もりが立てられます。
期間を最も大きく左右するのは選考回数と日程調整です。エンジニア採用は書類選考のあとに技術面接・現場面接・役員面接と続くことが多く、面接1回ごとに日程調整が発生します。在職中は平日日中の枠が取りにくいため、ここが最大のボトルネックになります。
次に効いてくるのが退職交渉です。就業規則上の申し出期限(1か月前が一般的ですが、企業により異なります)と、引き継ぎに要する実務期間の両方を満たす必要があります。内定承諾後にここで揉めると、入社日を後ろ倒しせざるを得なくなり、内定先との関係にも影響します。
活動を始める前に、現職の就業規則で「退職の申し出は何日前までか」を確認してください。有給休暇の残日数も同時に把握しておくと、面接日程の確保と退職日の設定が現実的に組めます。この2つを知らないまま進めると、内定後に必ず調整が発生します。
途中で辞退してもよい
いずれの段階でも辞退は可能です。求人紹介の段階で「合わない」と判断すれば応募しなくてよく、内定が出たあとでも承諾義務はありません。エージェント経由であっても、最終判断は常に求職者側にあります。ここを遠慮すると、納得していない条件で入社することになり、結果的に短期離職につながります。
無料面談を「情報収集」として使い切る準備
面談前に用意しておく3点
面談の質は準備でほぼ決まります。逆に言えば、準備なしの面談は一般論の説明で終わります。最低限、次の3点を用意してください。
第一に、職務経歴の棚卸しです。使用言語・フレームワーク・クラウド環境・担当フェーズ(要件定義/設計/実装/運用)・チーム規模を、プロジェクト単位で書き出します。完璧な経歴書である必要はなく、箇条書きで十分です。
第二に、希望条件の優先順位です。年収・勤務地・リモート可否・技術領域・裁量の5項目を、譲れない順に並べます。すべてを満たす求人は存在しないため、順位を決めていないと判断が止まります。
第三に、現年収の正確な内訳です。基本給・賞与・みなし残業・各種手当を分けて把握します。ここが曖昧だと、提示額が実質的に上がっているのか下がっているのかを判断できません。
面談で必ず聞くべき5つの質問
① 私の経験と希望勤務地で、現在紹介可能な求人は何件ありますか。
② そのうち現年収を上回る想定年収の求人は何件ですか。
③ 公式サイトの「年収交渉成功率100%」は、どのように算出された数値ですか。
④ 私と近い経歴の方が、直近で実際にどの程度の条件で決まっていますか。
⑤ 私の経歴で市場価値を上げるとしたら、次に何を経験すべきだと思いますか。
とくに⑤は、転職しない場合でも価値がある質問です。採用市場を日常的に見ている人からの回答は、社内の評価面談では得られない情報になります。面談を「求人をもらう場」ではなく「市場情報を得る場」として使えば、たとえ今回転職しなくても時間は無駄になりません。
技術面接に向けて用意しておくこと
エンジニア採用では、面接の比重が技術側に寄ります。ここで評価されるのは知識量そのものよりも、判断の理由を言語化できるかである場合が多くなります。したがって準備の方向も、暗記ではなく説明の整理になります。
具体的には、直近に担当した設計について「なぜその技術を選んだのか」「他にどの選択肢があり、なぜ採らなかったのか」「結果どうなり、いま作り直すなら何を変えるか」の3点を、プロジェクトごとに答えられる状態にしておきます。この3点は多くの技術面接で形を変えて問われます。
また、失敗の扱いも準備しておくべきです。障害対応やパフォーマンス問題に触れる質問は珍しくありませんが、評価対象は失敗の有無ではなく、原因の切り分け方と再発防止の設計です。隠すより、経緯と対処を筋道立てて説明できる方が評価は安定します。
なお、こうした企業ごとの出題傾向は、エージェントが最も価値を出せる情報です。前述の選考対策の工程で、その企業の過去の面接でどのような質問が出たかを具体的に確認してください。ここを聞かずに面接へ進むのは、使える情報を捨てているのと同じです。
その場で決めない
面談の場で応募先を確定する必要はありません。持ち帰って比較検討すると伝えて問題ありません。急かされる場合、それ自体がそのエージェントの評価材料になります。
口コミ・評判をこの記事に載せていない理由
出典を確認できない体験談は掲載しない方針です
転職エージェントの記事には、たいてい利用者の口コミが並びます。本記事にはそれがありません。理由を正直に書きます。
本記事の執筆時点で、TechGoについて出典と投稿者の実在を確認できる第三者評価を、当編集部は十分に収集できていません。この状態で「20代・SE・年収120万円アップ」といった体験談を載せることは可能ですが、それは検証されていない情報を、検証済みであるかのように見せる行為になります。
転職は人生の条件を左右する判断です。判断材料として提示するのは、出典をたどれる情報だけにするべきだと考えています。したがって本記事では、公式サイトの記載と、その読み方の解説に限定しました。
口コミを自分で確認する方法
とはいえ、第三者の声を確認したい場合はあります。その際は次の手順が有効です。
まず、投稿日時が確認できる媒体を選ぶことです。サービスの体制は年単位で変わるため、3年前の口コミは現在の評価として使えません。次に、担当者個人への評価と、サービス全体への評価を切り分けることです。エージェントの満足度は担当者の力量に大きく左右されるため、「担当が良かった/悪かった」はサービスの評価そのものではありません。
そして最も確実なのは、自分で無料面談を受けて判断することです。費用がかからない以上、他人の評価を探す時間より、自分の目で確認する方が精度も速度も上回ります。
料金の仕組みと「なぜ無料なのか」
費用は採用した企業が負担する
TechGoを含む人材紹介サービスが求職者から費用を取らないのは、慈善事業だからではありません。採用が成立した時点で、採用企業が成功報酬を支払う構造になっているためです。相場は採用者の想定年収の一定割合とされ、企業側にとっては決して安くない投資です。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 会員登録 | 無料 |
| キャリア相談・面談 | 無料 |
| 求人紹介 | 無料 |
| 書類添削・面接対策 | 無料 |
| 年収・条件交渉 | 無料 |
| 入社後の成功報酬等 | なし(企業側が負担) |
この構造から生じる利益相反を理解しておく
報酬が企業側から支払われるということは、エージェントの収益は「あなたがどこかに入社すること」で発生することを意味します。ここには構造的な利益相反があります。
具体的には、成約しやすい求人が優先的に提案される可能性、内定辞退より承諾を勧める力学が働く可能性があります。これはTechGo固有の問題ではなく、成功報酬型の人材紹介すべてに共通する性質です。
複数のエージェントを併用してください。1社の提案だけを見ていると、それが基準になってしまいます。2社以上から提案を受ければ、求人の質と提示年収の妥当性を相対的に判断できます。無料である以上、これは実行コストのかからない防御策です。
退会・個人情報の取り扱い
退会は可能。手続きは公式ページで確認する
人材紹介サービスは職業安定法および個人情報保護法の規制を受ける事業です。したがって、本人からの利用停止・削除の請求に応じる義務があります。TechGoも例外ではありません。
ただし、具体的な退会手順と問い合わせ窓口は、サービスごとに異なります。本記事では推測で手順を書きません。登録前に公式サイトのプライバシーポリシーを開き、削除請求の窓口が明記されているかを確認してください。ここが明記されていないサービスは、登録自体を見送る判断もありえます。
登録時に確認しておくべきこと
第一に、現職企業への情報開示の扱いです。多くのエージェントは在籍企業へ経歴を送らない運用をしていますが、明示的に「現職とその関連会社には推薦しない」と伝えておく方が確実です。
第二に、連絡手段と時間帯の指定です。就業中の電話は避けたい人が大半です。メールまたはチャット中心にしてほしい旨は、最初に伝えれば通常は尊重されます。
よくある質問(FAQ)
サービス・料金・運営会社について
利用方法・他社との比較について
※ 本リンクはアフィリエイト広告です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
まとめ:今日やるべきことは1つだけ
この記事の要点
- TechGoは株式会社MyVisionが運営するITエンジニア特化の転職エージェント。求職者は無料で、対応職種22種が公式に明示されている
- 公式が掲げる「求人10,000件以上」「平均年収アップ138万円」「年収交渉成功率100%」は、いずれも集計根拠が非公開。参考値として扱い、面談で自分のレンジを確認すべき
- 強みは年収交渉を軸にしたサービス設計。弱みは対応エリアの記載がないことと、求人規模がGeekly(45,000件以上)より小さいこと
- 未経験者・地方勤務希望者・独立志向の人には向かない。該当する場合は別カテゴリのサービスを選ぶべき
- 無料である以上、判断コストは面談1時間分のみ。他人の口コミを探すより自分で確認する方が速い
情報を集め続けても、条件は変わらない
転職記事を読み比べている時間は、それ自体では年収を1円も動かしません。条件が動くのは、比較対象を手に入れて交渉のテーブルに着いたときだけです。
そして重要なのは、比較対象を持つことと、転職することは別だという点です。面談を受けて、提示された条件が現職を下回るなら、動かないという判断に確信を持てます。上回るなら、初めて選択肢が生まれます。どちらに転んでも、今より情報の少ない状態に戻ることはありません。
今日の一歩
やることは1つです。公式サイトで、自分の職種が対応22職種に含まれているかを確認してください。含まれていれば、無料相談に申し込む価値があります。含まれていなければ、この記事の選び分け表から自分の行を探し、該当するサービスへ進んでください。
所要時間は3分です。年収が3年横ばいだった時間と比べれば、確認しない理由はありません。
TechGo公式サイトで対応職種と無料相談を確認する
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※本記事に記載した各サービスの数値・仕様は2026年9月4日時点で各公式サイトを確認した内容です。条件は変更される場合がありますので、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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